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東京起点

東京23区が起点の道を延々追いかけるだけのブログ。

   

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国道14号線⑤ 京葉道路 中川新橋~小松川大橋

  地図
旧中川を渡る中川新橋。
近世の旧街道は中川を『逆井の渡し』で渡っていた。
逆井は現在の小松川地区北側から平井地区南部に当る地名。
安藤広重の『名所江戸百景』の題材のひとつにもなる風光明媚な場所であったと言う。
1879年(明治13年)に初めて橋が掛けられ開通当初は有料橋であった。
現在、逆井の地名は消えてしまったが旧千葉街道には現在も『逆井橋』の名前が受け継がれている。



中川新橋の下を流れる旧中川。
中川は江戸期までは埼玉県吉川市付近で合流していた利根川・荒川の本流だった。( 更に室町時代以前は現在の綾瀬川が本流)
しかし、両大河より注ぎ込まれる膨大な水量により頻繁に河川氾濫が発生し、下流部は湿地帯だらけの荒地だった。
其処に関東へ入府してきた徳川家により荒川と利根川を東西に分断する大規模治水工事が行われる。
荒川は1629年(寛永6年)に入間川の流路へ流される。(下流部が隅田川)
一方、利根川は1621年(元和7年)に渡良瀬川流路へと流され、この時より下流部が江戸川と呼ばれる様になる。
更に30年近い年月をかけ1654年(承応3年)に常陸川と接続する人工運河『赤堀川』を開削。
常陸川は茨城県境町付近から銚子で太平洋へと注ぐ川であったが、後に赤堀川を拡幅し利根川の大部分の水量が注ぎ込まれると此方が本流となり、ほぼ現在の流路の形となった。
一方、かつての本流は東西に別れた大河の間に挟まれ『中川』と呼ばれるようになったのである。(詳しくはこちらのサイトへ )


地図
旧中川を渡ると江戸川区小松川に入る。
平井・小松川地区は荒川によって他の江戸川区域から分断されてしまっている
放水路開削以前は陸続きで交流も深かったと思われるが、現在ではどちらかと言うと江東区や墨田区との方が縁が強い。
しかし、③の城東軌道の件で述べたが初代江戸川区役所は小松川地区にあった。
『江戸川区』でありながら江戸川から一番離れている場所に区の中心があったのだ。


地図
この先の交差点をすると右折はr449を通して平井駅へ。
左折の方の道は小松川団地へ入る。

ちなみに野菜の『小松菜』の品名の由来はこの小松川から来ている。
8代将軍『徳川吉宗』が鷹狩りに小松川へ訪れた際、休憩中に食べたすまし汁に入っていた青菜を大変気に入ったが名無し野菜だと知ると、この地にあやかり『小松菜』と名付けたという。
また別の説では元々地域の名産だった『葛西菜』を小松川に居を構える豪商『椀屋久兵衛』が品種改良して『小松菜』を作ったという説もある。
この地元発祥の野菜を広めるべく、江戸川区では『小松菜アイス』なるチャレンジ精神あふれる商品を開発してしまったようだ。
自分は近隣に住んでいるが今の所、見た事も当然食べた事もない。
ご興味がある方はどうぞ。


地図
荒川を渡る小松川大橋へ。
千葉まで29km、船橋まで13km。
なおこの画像の箇所の右側は警視庁交通機動隊の分駐所がある。
流れの良い小松川大橋上をかっ飛ばす車両をお仕置きしに、ここから白バイ・覆面パト出動していくのである。


地図
荒川を渡るR14の橋は上下に別の橋がかけられている。
下りの小松川大橋が1969年(昭和44年)に開通し、上りは1972年(昭和47年)開通で『新小松川大橋』となっている。
荒川放水路開削直後に架けられた初代小松川橋は一車線しかな簡易な橋であった。
『とりあえず』で架けた繋ぎの橋であったようで、昭和9年から2代目小松川橋の工事が着工。
そして8年の歳月をかけて昭和16年11月に2代目小松川橋が完成。
当時の土木業界では『東洋一のブレースドリブタイドアーチ橋』と自負する程の大橋であった。
なお、この橋の完成の一ヶ月後に太平洋戦争が勃発。
当時工事中であった小松川橋より上流の四つ木橋は、戦争の煽りを受けて中断される事になる。



 
振り返ると下町の住宅地向こうに高々と聳えるスカイツリー。
世界随一の自立塔であるスカイツリーであるが、都心より西側だと他の高層ビル等に隠れてしまって、ちゃんと姿を見れる所が少ない。
一方、東側はそれほど高い建物が多くない為に全身像をいたる所で望む事ができる。
まさに下町が戴く天下一の塔と言えるだろう。


続く

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